2012年5月9日水曜日

教王護国寺(東寺)

帝釈天

           教王護国寺(東寺)   

京都を仏像という視点で見詰め直した時、どうしても訪れなくてはいけない寺
がある。それが教王護国寺、いわゆる東寺だ。                 


梵天像
京都駅から歩いても15分前後。なんとなく訪れた記憶はあったが、ある時、真剣に仏様を見ようという思いを強く持って東寺を訪ねた。
やはり、そこにあった世界は真言密教を具現化した弘法大師空海の強い、強いメッセージが込められていた。
東寺の講堂は立体曼荼羅と言われている。曼荼羅とは金剛界と胎蔵界の二つの仏の住む世界。理と智をそれぞれ表現していると学んだ。
空海は、まさにこの仏の世界を3次元の形で具
体化した。如来、菩薩、明王、天部からなる仏
の世界を21の仏像で表現している。
中央に真言密教の根本仏=大日如来を据え、その両脇を菩薩群と不
動明王で補佐し、全体を天部が守護するという形になっていると思う。


この天部の中でも、写真にある帝釈天像と梵天像は秀逸だ。
一般的に、凛々しく且つ美しい帝釈天に人気が集まっているように聞いた記憶があるが、
私が2枚目でないからか私は梵天像がすこぶる好きだ。
まさに、手を伸ばせば触れる場所に両像が置かれている。
このほか観音菩薩(国宝4体)不動明王(国宝4体)四天王像など、仏像一つ一つの質が極めて高い。


金堂には重文で大きな薬師如来様と日光・月光菩薩が置かれているが、やはり東寺はこの講堂・立体曼荼羅が圧倒的だ。21体もの仏像が理論的に置かれた場所は他にない!
立体曼荼羅の東寺講堂内部

東寺、侮るなかれ!!

東寺は国宝五重塔も美しく、桜の名所でもある。しかし、講堂立体曼荼羅の世界に、しばし身を置くと、圧倒的な
メッセージとともに、空海の創作した精神世界のイメージが大きく広がり、生きる勇気を与えてもらえるような気がする。

 


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