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東寺帝釈天 |
イケ面の仏像
過日、元の会社の仲間の女性と少し、仏像話をする機会があった。
その元仲間の人は今は韓国がマイブームになっているようだが、仏像話にも、興味を持ち続けているようだ。
その時の話のでは、その当人はただひたすら『イケ面』が好きとのこと。
話の流れからイケ面の仏像を教えてほしいとの話になってしまった。
イケ面とは”顔のいい男”のこと。残念ながら仏像にはいわゆる性別がないと言われている。
つまりイケ面というくくり方は基本的には困難だ。
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秋篠寺伎芸天 |
ただし、唯一のモデルは実在した釈尊(釈迦)つまりゴーダマ・シッタルーダという男性。菩薩は悟りを開く過程の王子がモデルとも聞いたことがある。菩薩像の中には、光明皇后をモデルにしたというものや、向源寺の11面観音様、伎芸天などのように女性としか言い得ない仏像も少なくない。
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円成寺・大日如来 |
本当のところ「イケ面」くくりは、困難だが、美しい観音様という視点で10点ほど選び出すことも面白いかもしれない。私は、イケ面と全く無関係の存在であるがゆえに・・思いもよらない視点であることは間違いがない、そんな軽い気持ちで美しい10の仏様を選んでみた。
この選択は、無茶苦茶私的選択、異論反論のオンパレードだとは思うがそれもまた一興・・。勝手に話を進めよう。
イケ面NO.1は選ぶことにあまり迷いがない。圧倒的1位と言ってもいいのが、最上段に紹介した
東寺帝釈天だと思う。
この帝釈天は目を半眼につむり、理知あふれるお顔で、像にまたがっている。確か左足を像の背に乗せていたように記憶している。(途中・・休憩 また後日)
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広隆寺・弥勒像 |
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薬師寺・聖観音立像
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法隆寺・9面観音
このほかの仏様たちをイケ面縛りで順番をつけることは私には相当難しい。私の好きな仏像がイケ面縛りでないだけに、イケ面ランキングはやはりどう考えても困難との結論に達した。
ここに紹介してある仏像はランキングの順番ではない。ランキングは、皆さんが勝手につけてくれればいいと思う。
1.秋篠寺 伎芸天(芸事の守護物) 2.円成寺 大日如来 3.中宮寺 弥勒半跏像
4.広隆寺 弥勒半跏像 5.観音寺 11面観音像 6.法隆寺 9面観音像
7.東大寺 月光菩薩立像 8.薬師寺 東院堂 聖観音立像 9.東大寺 戒壇院 四天王うち広目天
東大寺月光菩薩は当然、日光菩薩と対の存在で、現在は東大寺ミュージアムに置かれているが、この両像、じっくりとお顔を観察すると確かに違うように思える。月光は知の光で世の中を照らすとあったと思うが、この月光菩薩のお顔にはまさに知の力があふれ出ている。
人間、生き方が顔にでるとよく言われるが、このお顔はまさに私の目指すべきお顔だ。(無理とわかっていても・・)
最後に、戒壇院広目天について、チョイ紹介させていただきたい。
どう見てもいわゆるイケ面(2枚目顔)とは異なるが、四天王のうち、武器を持たず、筆と書を両手に持っている。
これも、武ではなく智の象徴と聞いた。
加えて、私はこの広目天のお顔がスゴク好きだ。遠く、すべてを見据えたような目で静かに佇んでいる、わずかに額をよせ、愚かな衆生を悲しがるように・・・。そして守るように・・。先に紹介した月光菩薩像との近しいつながりさえ感じる。
イケ面の仏像話、ほとんどがまとまりのない話になってしまったが、要は好み、すべてのものにすべてに人々が好みを持つことは自然の節理。
その意味で知っtakaの好きな仏像の基準は一体何なのだろうか・・。そんなことを考えさせてもらったお題でした。
私にまた一つ大きな宿題をいただいた。そのあたり、じっくりと考えないといけないと思う今日でした。
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