2012年11月19日月曜日

千手観音の話

唐招提寺千手観音像
唐招提寺千手観音の手の部分

千手観音像の話


千手観音像には様々な形がある。
一般的な千手観音像は11面42臂(ヒ 一般的に肘から腕までのことをいうらしい)が最も多い。

胸の前で合掌する2本の腕を除いて40の手で囲まれている。また、40本の手は天上界から地獄まで
25の世界があるという
仏教の教えに基づいているようだ。

大阪葛井寺千手観音
 また、眷族として28部衆を従えているのが最も正しい(?)千手観音様の姿のようだ。

その意味では前に紹介した京都三十三間堂の1001体の11面千手観音の姿が、唯一現存する千手観音様を象徴するものだろうか。

しかし、私の知るところでは日本に3体の千本のお手を持っておられる観音菩薩がおられる。
一つが、唐招提寺の千手観音像だ。10年ほどの解体修理を経て、昨年からか直接拝観がかなうようになったが、その大きさと迫力は素晴らしい。
ただ、唐招提寺は盧舎那仏、薬師如来、そしてこの千手観音様と3体で
語らなければならない仏様なので、詳しくは後述しようと思う。
2体目が大阪葛井寺におられる国宝千手観音様だ。坐像で、ちょうど人が座っているような大きさだが、その見事に整った顔や1000の手の整然とした形は、ただ、美しいの一言に尽きる。やさしく、端正な顔立ちで、訪れる人を必ずや満足させてくれる観音様だろう。
寿宝寺11面観音(重文)
三体目が京田辺市、観音寺へ向かう三山木の駅からほど近い場所にある「寿宝寺」の重文千手観音さまだ。
この観音様のおられる寿宝寺は訪れる拝観者も少なく、お寺の住職やおかみさんがお堂の中で丁寧に説明をしてくださる。この観音の置かれた本堂は小さいが観音は2m近くはあるだろう。観音のすぐ近くにすわり、詳しい説明を聞くことができる。なにより不思議なのが明と暗のお顔の違いだ。お堂は暗くしたり、明るくしたりすることができる。
その明暗の変化に合わせて、顔が二つの全く違う仏様に変化する。
この写真は暗い時の顔だが、人を迷わせるすべての悪を許さない、力強く、怖ささえ感じる顔になっている。
明るいところでみる観音は、顔がまさに別の観音のように返信し本当に慈悲のお顔そのものに変わる。

私は、ニッポンでは実際に千本のお手を持った千手観音様を他に知らない。
そして、この3体の千手観音像は一つ一つの世界を守護しようとしてくれているのだろう!!

0 件のコメント:

コメントを投稿