2012年11月12日月曜日

名刹 興福寺

四天王像

 <国宝物の宝庫 興福寺>

五重塔、猿沢の池、奈良公園、鹿・・・。興福寺を紹介する言葉に枚挙はないが、
東大寺や法隆寺にも劣らない仏像の宝庫が興福寺だろう。

但し、興福寺の仏像は国宝館収蔵から、東金堂、南円堂、北円堂と分散して
置かれているために、その全体像を把握しにくいが、おそらく20体を超える
国宝仏がちりばめられている。
北円堂の無着・世親像などは比較的拝観時期が長く、お目に書かれる機会も
少なくはないが、南円堂の不空羂索観音像や、四天王像にお目に書かれる
12神将像
機会は非常に少ない。
私も一度しか拝観はかなっていないが、ガイドブックによれば(記憶にはない)
10月の17日のみの特別拝観となっている。
四天王像は、最古の法隆寺四天王像、東大寺戒壇院
四天王像とこの興福寺南円堂の四天王像が、三大四天王像
と私自身は感じている。
法隆寺四天王は比較的垂直に屹立し、”静”のイメージ。
前に紹介した戒壇院四天王は、流れるような動きの中に
あって、一種の静寂と智を感じさせる。
それに比して、興福寺四天王像は、まさに動そのもの。
憤怒の表情で仏を守護しようとしている。



 12神将は国宝館の隣にある東金堂にあり、重文薬師如来と、日光・月光菩薩を守護するように取り囲んでいる。
 この12神将も新薬師寺、室生寺などの12神将像などと同じく、その動きを止めた瞬間の美しさは動の中の静といっ
 た空気の流れを止めるようなうつくしさだ。


金剛力士像

興福寺国宝館には、あまりにも有名な
阿修羅像をはじめ、息を飲むような
仏様が圧倒的な迫力で迫ってくる。

阿修羅は釈迦如来の眷族(従者、配下といった意味か・・)八部衆の一つ。
実物は意外に小さく、まさに少年のような表情で静かに佇んでいる。

この国宝館の中で私が個人的に魅力を強く、強く感じている仏像が
1.金剛力士像(右)
 身体の骨格や筋肉、そして血管のあり
 かさえ感じさせる、最も激しい金剛力  
 士像だ。 
2.天燈鬼・龍燈鬼像
 実にユニークな表情の中にあるが、そ
 の全体の造形の美しさは群を抜いて
 いる。
 
    
3.最後が下段に紹介した「山田
  寺の仏塔」
  山田寺の火災の中で、唯一焼け残った薬師如来の仏頭と紹介され
  ている。

天燈鬼・龍燈鬼像
この穏やかなお顔をした薬師如来像は、全体としてお目にかかった
  らどのような姿をしていたのだろうか・・・。
  想像するだけでも楽しくなってくる。

 以上興福寺には拝観したい国宝仏が非常に多岐にわたっている。

山田寺仏頭


 

天龍鬼・竜燈鬼像は他に走らない。解説書によれば四天王に踏みつけられていた邪鬼を立たせ、灯篭も持たせて仏前を明るく照らす役割を与えたものとあった。

 国宝館と東金堂は、いつでも拝観可能と記憶しているが、南円堂と北円堂
 は拝観時期に制限がある。それぞれの期日をじっくりと調査し、腰を据え
 て、訪れれば、一気に20体余りの国宝物にお目にかかれる素晴らしいお
 寺だと思う。

 ゆっくりと興福寺をお試しあれ!!!






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