2012年6月15日金曜日

『韓国仏像見聞録』






国立韓国中央博物館

5月下旬、新しい仕事チームの仲間たちと、2泊3日で韓国への旅にでた。

私自身は10数年ぶりの2回目。
「骨付きカルビの焼肉」「参鶏湯」「タッカルビ」・・
何を食べたか全部は覚えていないが、韓国の旅=食の旅といっても言い過ぎではない、とにかく安い、旨いには驚いた。



従軍慰安婦の碑が作られたとか、スポーツなどでの日韓戦のヒートアップなど、日本と韓国の間には、まだまだ超えられない大きな溝が横たわっているように感じる時もあるが、街中に日本語があふれ、一般の人々の親日ぶりへの変貌にはいささか驚かされた。

これも「冬のソナタ」から火がついた韓流ドラマへのニッポンミセス軍団の熱狂が大きな役割の一つだろう。

今回の韓国の旅は、私自身の最も大きな目的はグルメやマッサージではなく、韓国中央博物館訪問にあった。
最もグルメやマッサージも当然楽しみであったが・・。

上の写真はその博物館のエントランス、そして下が館内ホールだ。 
中央博物館館内
仏教のルーツを訪ねて・・。   
ニッポン仏教のルーツが大陸にあることは言うまでもない。
インドの釈迦誕生によって、生まれた仏教は中国を経て半島にわたり、そして日本に伝わった。もちろん唐招提寺の鑑真和上のように、ニッポンへの仏教の布教に生涯をかけて取り組んだ中国僧も多くいた。伝教大師最澄や弘法大師空海のように、当時隆盛を極めていた中国へ渡り、直接教えを受けてきた僧たちが日本仏教の礎になっていることはも言うまでもないだろう。
中央博物館インド仏教コーナーに置かれた釈迦像
教義とは別に、仏像は半島の影響を大きく受けているのかもしれない
本来ならば、釈迦誕生の後をたどり、敦煌莫高窟の壁画を見に行くことがルーツを訪ねることになるのかもしれないが三蔵法師でもないのだからそこまでするつもりも全くない。

とまれ、私は学者でもなく、研究者でもない。単なる仏像オタクジジイに過ぎない。
よく調べもしないで、中央博物館には半島の様々な文化財があるとの情報だけで訪問しただけだ。

博物館には白磁や青磁の壷や香炉など、彫刻、絵画、書など広々とした空間に実に多数陳列されていた。この壷をもって鑑定団に出たとしたら、会場のざわめきがうねりのようになるような代物かのしれない(?)。
つまるところよくわからないということに過ぎないが・・。

しかし、右上にあるインドの文化財コーナーに陳列されていた釈迦坐像は、ニッポンのどこかの寺のご本尊と言われ
ても何の違和感もない。詳しい説明は記憶していないが、かなり近い過去に再建されたものだろう。1000年の歴史の重みを感じさせるものではなかった。

その中で最大の収穫は左にある「弥勒半跏像」だ!。
像の下に、小さくさりげなく「国宝」の表記があった。
前に紹介した広隆寺の弥勒半跏像とも似ていなくはないが、私の頭に浮かんだのは右に紹介してある大阪
羽曳野市にある野中寺の弥勒半跏像(重要文化財)だった。この像は高さ18.5㎝ほどの小さな仏像だが、その出来栄えはなかなかのものと感じていた。
(飛鳥時代から奈良時代の制作)
こうして見比べれば、違う国で違う時代につくられたとはとても思えない。
この弥勒半跏像1体だけで、中央博物館を訪れた価値があったと思う。

☆この左の写真と上の釈迦像は私の携帯で撮ったものだ。禁止を破って隠し撮りをしたわけではない。
私の傍の韓国の親子が、デジカメでフラッシュをたいてピース写真を撮っていた。
その近くにいた博物館関係者は一切注意などしていない。
それで、私も安心して写したものだ。

思い出せば、数年前、兵馬俑を見に、始皇帝陵を訪ねた時、約9000体の兵馬俑で唯一完全な形で発掘され、ガラスのケースに入れられて飾ってあった兵馬俑も自由に写真を撮ることができた。
見知らぬ日本人観光客
日本人の文化財保護の強い気持ちは理解するが、日本のお寺は本当に保護のためだけに写真撮影を禁じているのだろうか・・少しく疑問が湧いてきた。
多分一つは日本人のマナーの悪さがあるのかもしれない。
韓国に比して、仏像拝観者は数十倍だろう。最近、さらに増え続けている。静かに仏様の前で頭を垂れればいい。
それが拝観者の原点だ。でも日本人は規制を作らないとできない、やらない人種かもしれない。

誰かが静かに拝観をしているときに、フラッシュが絶え間なくたかれたら、なんと落ち着きのない
仏像拝観になってしまうだろう。

もう一つはお寺の収入源ということもあるのかもしれない。現在、写真集などを出すために、
雑誌社がお寺に支払う撮影料は結構な金額なっていると聞いたことがある。
書店に並ぶ仏像本にイラストの仏像紹介が増えてきているのも、このためらしい。

私の話は、ほとんどが仄聞だから、信ぴょう性に欠けるところがあるのはお許しあれ。
ネットで全部調べて書いたら、それは「知っtakaの仏像話」というタイトルに偽りありになってしまうことになる。

韓国訪問の、一日が旧暦の釈迦の誕生日だったようだ。日本では4月8日花祭りがその日と言われている。恥ずかしきPは川の中に置かれた釈迦誕生のハリボテ(天上天下唯我独尊のポーズ)それを気取って真似をしている、大人になれない日本の観光客の姿・・・。

もう少し、書きたいことがあるが、あまりに長すぎるのでひとまずここで終わろう。長文失礼いたしました。
(この項終わり)

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