2013年4月13日土曜日

不空羂索観音坐像

興福寺 南円堂・北円堂特別公開

興福寺の仏像は、国宝館と東金堂に主な仏像が置かれている。人気の阿修羅像を含む八部衆や金剛力士、薬師如来、12神将などこの両方でほとんどの仏様を拝観できる。
この東金堂、五重塔の向い側、南側に南円堂、北側に北円堂がある。
八角形のお堂としては大変美しい。
この両堂は、常時拝観がかなう訳ではなく、毎年比較的短い拝観の期間だったと思うが、今年は特別拝観として4月12日~6月2日まで公開しているとのこと。
以前にもお目にかかってとことはあるが、もう一度訪ねてみたい仏様がいくつかおられる。
南円堂の本尊は不空羂索観音坐像(国宝)。まばゆいばかりの金色にか輝いている、結構大きな観音像だったと記憶している。
不空羂索観音像は、何と言っても東大寺法華堂におられたものは立像であり、圧倒的なインパクトがあったが、この不空羂索観音もいろいろな角度から眺めると大変完成度の高い仏様と言えるだろう。
後に触れるが、北円堂の有名な「無着・世親像」は運慶作だ。
こちらの不空検索観音はやはり運慶の父、康慶の作と紹介されていたとおもう。



 

北円堂は無着・世親像があまりも有名だ。運慶作の代表的作品なのだろう。運慶の作品としては、私は円成寺の大日如来座像が最も好きだ。さらに忘れられないのが、南大門金剛力士像だろう。


南円堂にはこの不空羂索観音像を守護するように置かれている
四天王像も素晴らしい作品だ。

法隆寺の日本最古の四天王像、戒壇院の塑像四天王像がやはり印象深いが、
この、南円堂の四天王像もそのインパクトとしては忘れられない作品の一つだろうと思う。







北円堂にはこの両像の他に、本尊「弥勒如来座像」が置かれている。この如来像は、やはり一見の価値、大いにありだろう。あまり大振りではなかったと思うが、慈愛に満ちた、優しいお顔で私たちを待ってくれている。
もう一つ四天王像が置かれている。この四天王像は南円堂のそれと比すとあまりに印象が異なる。
その意味では、四天王像は結構多数とお目にかかってきたが、一つとして同じ印象のものがない。
まっすぐに立ち、素朴でその存在をあまり強調はしないが、見れば見るほど完成度の高い法隆寺四天王。
圧倒的なインパクトでありながら、静謐を感じさせる東大寺戒壇院四天王像。
法華堂の四隅に置かれていた、大きく威圧的であった四天王像。そしてこの南円堂、北円堂の四天王。時代にはいささかの違いがあるのだろうが、その印象はあまりにも異なる・・・。

近鉄奈良駅を降りて、向かえばすぐ奈良公園、多くの鹿に囲まれながら、壮麗な五重塔と東金堂、国宝館。
そして、南円堂、北円堂。さらに、その先には奈良博。常設展示の作品にも印象深いものが多い。
仏像拝観に疲れたら、さるさわの池から奈良町へ・・。奈良町には旧民家を活用した、食事処やお土産屋も多く。
のんびり散策するには最高のポイントだろう。
仏像と奈良町・・。十分に一日を価値ある日にしてくれるところだろう。
特別拝観に合わせて、「今ふたたびの奈良へ」か・・・。
(JR東海とタイアップは一切していません)

無着・世親像
弥勒如来座蔵
北円堂四天王像




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